みなさんこんにちは 漫画チャンネルのまんちゃん です。
はい、本日紹介する漫画は「U19」になります。
木村勇治先生によって週刊少年ジャンプで、2017年11号から28号まで連載されていました。
全17話という、タイトル通りアンダーナインティーンで完結した本作。
最初に言った通り、子供達によるモーレツ大人帝国への逆襲、がテーマとなっているのですが、なかなかに突飛な物語の漫画でして、連載中も色々と物議を醸していましたね。
作品情報
作者
木村勇治
掲載誌
週刊少年ジャンプ
2017年11号 – 28号
あらすじ
大人による支配・・・
時は2036年・子供は大人たちにより支配されていました。
2000年代、ゆとり教育の弊害によりダメな大人たちが乱造されてしまったことから「大人党」が立ち上がり、子供たちへの教育が徹底的に管理されることになったからです。
「子供は基本的にダメな存在である」という理念の元、学校の教師に与えられる権限も非常に強く、体罰も普通に認められています。
また、学校での成績は現実世界の比じゃ無いくらい将来に影響を与えます。
テストの点数・生活態度・健康状態などからA~Dランクで評価され、その評価は大人になっても一生続くのです。
Dランクになってしまうと、一生ブラック企業勤めを強いられるため、いい評価が得られるよう子供たちは教師の顔色を伺い、媚を売り、言いなりになるしかないのでした。
そんな世界のとある高校にいる一人の男子生徒・紅童衛児とその仲間たちによる大人への反逆の物語となります。

現実世界では学生時代にAランクとっても一生ブラック企業勤めってこともあるけどね。
ははは。
打ち切り理由
大人の行動がヤバい
主に大人たちの言動が物議を醸しました。
体罰など可愛いほうで、その他にも大人の行動がヤバすぎるんですよ。
物語の冒頭に出てくる谷という教師は特にヤバくて、生徒への暴力など日常茶飯事で、
髪の長い女子生徒を丸刈りにしたり、衣替え後にカーディガンを羽織っていただけでカーディガンをバラバラに引き裂いたり、ピアスをしようものなら耳から引きちぎるなどやりたい放題です。
この谷を筆頭に他にもやばい大人ばかりです。
序盤に、大人党によって、生徒たちの優秀な遺伝子を選別するための検査が行われるのですが、ヒロインの月野朱梨の遺伝子がSSSランクという非常に優秀な評価を得ます。
その結果、朱梨は優秀な遺伝子を持った子供達が集まる学校へ転校させられてしまうのですが、転校を阻止しようとしたエイジに対し、大人党の人間は発砲します。

子供への発砲まで許可されてるの?
これはひどい。
ただ、大人を徹底的に悪役にしているのは、その後にぶちのめしたときにカタルシスを得られるからじゃ無いかな?
カタルシスがいつまでもこない!
確かに大人たちの悪役ぶりはカタルシスを味わう上での最高のソースになるのですが、メインディッシュが一向にやってこないのです。
その期間、約二ヶ月です。
もう読者はお腹ペコペコ、腹ペコマリー状態です。
結局、ヘイトを溜めに溜めた教師・谷がぶちのめされるシーンが見れるのは連載が開始してから7週目となります。
「カタルシスまでが長過ぎた。」
これがU19の打ち切り理由でしょうね。
「おめーは俺を待たせ過ぎた」が読者たちの総意だと思いますよ。
一ヶ月半以上、胸糞展開が続くので、谷がぶちのめされる前に読者は脱落し「やべー大人たちが登場する漫画だった」という印象だけが残って各方面で物議を醸してしまったんではないでしょうかね。
そして異能バトル展開へ・・・
やっと谷を倒し、ヒロインを救出するため学校を飛び出すことになるのですが、そこからは物語は一気に展開して、こうなります。
ここまでの展開の遅さは何だったのか、死期を悟ったU19は超絶異能バトルへと発展するのです。
ここで改めて、谷をぶちのめすまでに一ヶ月以上の時間を要してしまった原因を説明するのですが、それはこの異能のせいなのです。
この異能はリビドーと呼ばれ、思春期の子供達が強いストレスにさらされたときに発現する力です。
リビドーにより、銃弾を弾いたり、空を飛んだりできるようになります。
また、このリビドーが発現した子供たちによる反乱軍・ガレージキッドの面々との顔合わせなどにも時間を使ってしまいました。
これらの説明パートのせいで、谷をぶっとばすのが遅れたんですよね。
私は谷をぶっとばした後で、このあたりの設定を説明してもよかったと思うのですが、そもそもの話をさせてください。
この異能の設定いるぅ?!
大人より劣っているとされ、子供は基本的にダメな存在である、とされている世界で、その大人に異能の力で勝って意味あるんですかね。
そこは、子供達は自分たちより劣っていると思い込んでいる大人たちを、知恵と勇気で負かさないといけないんじゃないですか。
「大人が子供を支配している」という設定を見た時は、ジャンプ版バトルロワイヤルみたいな物語が始まるのかな?と思ってワクワクしていたのに、いきなり異能がなんたらと説明が始まったので残念でした。
このリビドーという設定の結果、改めて、物語はこうなります。

UFOでてきてるーー!!
巨人化するリビドーや、夢を具現化するリビドー、ワープするリビドーなどをもった生徒たちにより、やりたい放題。
大人側も劣化版僕のヒーローアカデミアみたいな人造人間を使い出したりと、もう無茶苦茶です。
最後は?
そして最後、私が本当に納得いかない展開を迎えます。
なんと子供同士で戦うことになるんですよ。
エイジと、アカリを好きになった男子生徒の戦いなんですが、これはやっちゃいけないでしょ。
子供対大人のテーマが崩壊
子供対大人というのを強調するために、非道な大人たちを序盤で描いてきたはずなのですが、最後で、子供同士を戦わせるという展開になるんです。
子供対子供というのは、この漫画が長期連載化された際は、子供対大人の戦いの合間のアクセントとなる展開だとは思います。
おそらく作者が物語のどこかで使おうと考えていたのでしょう。
ただ、この短期の連載で、子供対大人もまともに描けていない状態でやっていいものではないですよ。
最後の最後で漫画の軸が折れてしまった感じがして残念でした。
まとめ
主人公のエイジは熱血でまっすぐなキャラクターなので共感持ててよかったです。
ヒロインを奪還するという目的もはっきりしていてよかった。
そんな主人公が異能の力に頼らず、知恵でもって大人を出しぬき、仲間と共に勝利するっていう展開にしていてくれればワンチャンあったかもしれません。
ただ、大人党っていう政党クラスにでかい組織を相手にするのはかなり無理筋なので、学校の教職員連中を相手に戦うという展開で。(そういう漫画他にありそうだな。)
あと終盤のとんでも異能バトル展開は、前後の展開を全て無視してそこだけ切り取ったら、思わず笑ってしまうくらい意味不明なので、好きじゃないけど嫌いじゃないよ。
でも、物語のテーマである、子供による大人への反逆ってところは崩して欲しくなかったなあ。
子供vs子供はやっちゃダメでしょう。
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