みなさんこんにちは 漫画チャンネルのまんちゃん です。
はい、今回紹介する打ち切り漫画は「パジャマな彼女」になります。
濱田浩輔先生により週刊少年ジャンプで連載されていた本作ですが、26話で打ち切りとなってしまいます。濱田先生はこの作品を最後に、集英社より離れ講談社ではねバド!という漫画を連載をすることになるのですが、一体集英社とどのような確執があったのでしょうか。そのあたりにも触れていきたいと思います。
作品情報
作者
濱田浩輔
掲載誌
週刊少年ジャンプ
あらすじ
冒頭
物語冒頭、元気いっぱいに主人公を起こしに来たのはヒロインの音巻まくら、主人公の目覚計佑とは家が隣同士の幼馴染です。
まくらは幼いころに母親を亡くしており、目覚家で食事をとるなど、家族ぐるみの付き合いをしています。
当然のように二人で登校し、お互いがいて当たり前のような存在、このまま生涯を添い遂げるのでしょう…という風にうまくはいきません。
学校にて、ケイスケが先生の頼みで理科準備室に荷物を運び込もうとすると突如黒髪美少女が降ってくるのでした。
ダブルヒロイン?!
そう、本作のもう一人のヒロインでケイスケたちとは2つ先輩の白井雪姫です。
パンツ丸見えで落ちてきて、胸を鷲掴みというラッキースケベを主人公に提供するヒロイン。この時点でなんとなく作品の方向性が見えてきますね。
で、彼女は芸能活動をしているのですが、人目につかぬよう裏門まで自分を箱に詰めて運んでほしいと言うのです。
かなり強引なシチュエーションにも関わらず、裏門まで雪姫を運び出すケースケ。
そんなところをまくらが目撃してしまいます。その後、まくらは嫉妬からかケースケに些細ないたずらをするのですが、そのいたずらに対してケースケは怒り、まくらに声を張り上げてしまいます。
さみしげな表情で自宅に帰ったはずのまくらなのですが、深夜になっても家に帰っておらず、ケイスケや家族総出であたりを探します。
ヒロインが幽霊に?
ひとしきり探し切ったあと、ケイスケはまくらとの思い出の場所である植物園のベンチに寝転がるまくらを見つけます。まくらを起こし、家に帰ろうとすると、ケースケのケータイが鳴り、母親よりまくらは病院で眠りについていると告げられるのです。
じゃあ目の前にいるパジャマ姿のまくら一体なんなのか?どういうことなのか、とつぶやこうとしたその瞬間、まくらは宙にふわふわと浮き出し「私、死んじゃったのかなあ?」と言うのでした。
はたしてまくらはどうしてしまったのか、ケースケ、まくら、雪姫、みつどもえの恋の行方はいったいどうなってしまうのか、っていうのがあらすじです。

普通の三角関係ラブコメに加えて、ヒロインの一人がおばけみたいな状態という、少し不思議な要素が入っているんだね。一風変わったラブコメといった感じだけど何故打ち切りになってしまったのでしょうか
打ち切り理由
はい、今回も打ち切り理由を3つにまとめました。
ずばりこちらになります。
- ひたすら強引なエロ展開!
- なぜ夢の続きを描いた..?
- 生まれた時代が悪かった
です!
ひたすら強引なエロ展開!
こちらですが、作者は編集に人質でもとられて各話ごとにスケベシーンを描くように要求されてるんじゃないかというくらいスケベなシーンが差し込まれるんですよ。
もう、それが強引すぎて、話が入ってきません。特にケースケの雪姫とのラッキースケベ遭遇率は、落としたパンのジャムをつけた側が床に落ちる確率くらい高く、ほぼ全てのシーンで胸を揉ませています。
いや、それは言い過ぎですが、スケベを軸に物語を進めてるんですよね。ヒロイン二人が意味もなくパンツ見せたり、売れっ子の風俗嬢かってくらいシャワー浴びますし。
なので肝心の話が入ってこないんですよ。スケベに振り回されてか主人公のケイスケもどっちつかずの軽薄な男という感想しか抱きません。
で、これが冒頭の濱田先生集英社離脱の理由になったと思うのですが、スケベ一辺倒の展開はおそらく作者の望む作風ではなかったと思うんですよね。それははねバド!でのスポ魂具合も見てわかるので、もうちょっとカッチリした物語を描こうとしていたんだろうなとは思います。
なぜ夢の続きを描いた…?
あらすじで少し話した通り、まくらの実体は病院で眠り続けており、ケイスケの前に現れたのはケイスケにしか見えない幽体離脱したまくらです。
何故まくらがパジャマ姿で幽体として現れたのかの謎を解き明かし、まくらを実体に戻し、まくら本体が目覚めるまでを物語全体を通して描くはずなのですが、物語のラストをそこにもっていかず、物語の半ばでまくらは目覚めてしまうんです。
そして平然と物語が進むのですが、それもうタイトルのパジャマな彼女関係ないじゃん。とツッコミを入れたくなるのは、みなさんもおわかりいただけると思います!
上映時間76分の映画「眠れる森の美女」で美女が後半30分起きてたら許せなくないですか?!そういうことです。

いや、その例えは全然わからないけど、ツッコミたい気持ちはわかるよ。
いい曲だなと思ったのに妙にアウトロが長くてリピートしづらい。みたいなことだよね。
それも何か違う気もしますが。
あと、ただでさえまくらの起床後は蛇足だというのに、残り数話でライバル女子がどんどん現れたりと、もうちぐはぐなんですよね。このあたりもやはり編集と作者の思いが合っていなかったところなのかなと邪推してしまいます。
生まれた時代が悪かった
これなのですが、この時期のジャンプはラブコメ戦国時代と言われ、同時期のニセコイ・恋染紅葉というラブコメたちが連載されていたのですよ。
しかし、ラブコメは3つもいらない、ラブコメは一つでいい(cv大塚明夫)
ということで、当然人気票の取り合いになるのですが、結果ニセコイが勝利したんですよね。
この戦国時代に他作品と差別化するための生存戦略としてスケベを軸としていたというのなら、それは失敗だったなと思います。
生まれる時代こそ違えば、人気取りのためのスケベになど走らず、少し不思議なヒロインラブコメとして延命していたのではないかと。
というように、これら3つの理由により、人気が出ずに打ち切られてしまったのでしょう。
最後は?
物語の最後は、すでにまくら起床後なのでどう畳むのかと思いきや、まさかのまくら引っ越しエンドです。
ケイスケはまくらへの想いを再確認するのですが、引っ越しを前に想いを告げるのかと思いきや、先輩とデートに行くという優柔不断っぷりをみせます。
結局、引っ越し当日ですら別れの挨拶をできないまま、まくらがいなくなって数ヶ月が経ったある日、突如思い立ち、新幹線に乗りまくらのもとへ向かいます。ただ、そこでも想いを告げることができず、キレイだよと伝えるのが精一杯のケイスケ。
しかしまくらは久しぶりに会ったケイスケに対して自分の気持ちを口にするのでした。
大好き。と
完結。

うーん、とってつけたような引っ越しエンド。何とも言えない終わり方だね。最後くらい主人公からの「好きだ」で終わってくれればなあ。
まとめ
絵柄は当時から好きだったんですけど、ラブコメとしてはダメダメですね。ちょっとした不思議要素も一体何だったのか、という感じです。
ただ、その後、濱田先生が講談社に映ってから連載されたはねバド!は名作オブ名作なので、ぜひ読んでみてください。デビュー作もスポーツものだったし、本当ははねバド!みたいなの描きたかったんだろうなと思います。
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