みなさんこんにちは 漫画チャンネルのまんちゃん です。
はい、本日ご紹介する打ち切り漫画は「新米婦警キルコさん」です。
平方昌宏先生によって週刊少年ジャンプで2012年51号から2013年25号まで連載されていました。
どのような漫画かを一言で表すと「元傭兵の巨乳美女が辺境の地で警官に?!」になります。
そして、世にも珍しい、連載終了後に一度復活しているという漫画です。
作品情報
作者
平方昌宏
掲載誌
週刊少年ジャンプ
2012年51号 – 2013年25号
あらすじ
冒頭
舞台は房総半島にある辺境の田舎町・流島。
そこで警官として流島分署に勤務する安錠春樹はある報せを受け、浮かれています。
その報せとは、新人がやってくるということ、そしてその新人が女性であり、巨乳であるということです。
安錠は無類の巨乳好きであり、前の職場でも同僚の婦警へのセクハラが原因で流島を左遷されてきたという経歴を持っていました。
そのため、新米の巨乳婦警の配属の報せに大いに浮かれていたのです。

今だと、色々とコンプラインス的に連載まで至らなそうな設定の主人公だなあ…
そして現れた新米婦警。
彼女の名前は音無キルコ。確かに巨乳ではあるのですが、とんでもない経歴を持っていまして、元特殊部隊所属の傭兵だったのです。
左目を長い髪と眼帯で隠し、その両手には刃のついたトンファー・トンファブレイドを携えています。
で、キルコは流島分署に配属されてから一週間、目立った功績を上げられていません。
教育係の安錠は、その責任を取り、クビにされそうになります。
そして手柄をあげるため二人で巡回していると、下着泥棒と思わしき不審者を発見します。
まずは安城が職務質問をかけようとするのですが、元傭兵・キルコは勢い余って容疑者を蹴り倒したり、民間人の乗用車をまっぷたつにしたり、衝撃波で地面をえぐり散らかしたりとやりたい放題してしまいます。
さて、このようにとんでもない新米婦警キルコを、先輩警官である安錠は正しい警官にするべく指導していくことができるのかーっという、ギャグ漫画です。

元傭兵の巨乳が警官になるが、ドジってばかりって物語なんだね。
なんで打ち切られちゃったんだろう。
打ち切り理由
はい、今回も私の考えを3点にまとめたのでご説明します。
- 主人公に魅力がない
- キルコのキャラが過剰
- 主人公たちの目的が出てくるのが遅い
になります。
主人公に魅力がない
主人公の安錠の魅力がいまひとつなんですよね。
物語というのは主人公に共感できるか、応援できるか、にかかっているのですが、本作はここが弱いところです。

というか、主人公って安錠なんだね。タイトル「新米婦警キルコさん」なのに。
タイトルに登場するキャラクターの名前が入っているからってそのキャラクターが主人公になるわけじゃないんですよね。
ドラえもんの主人公はのび太ですし、AKIRAの主人公は金田なんですよ。
主人公は、大体が最初に登場したり、最初に名前が紹介されたり、最初に語り出すキャラクターなので、私はそれで見分けています。
本作では安錠の語りから入り、最初に名前が紹介されるのが安錠なので、彼が主人公ですね。
で、その主人公である安錠のどこに共感できないかというと
安錠は
- セクハラを理由に前の職場を左遷されている
- 保身のためなら仲間を騙す
などなどおよそ主人公とは思い難き行動とゲスい性格を持っているためです。
これらは物語が進むにつれ更生され、変化していくのかと思いきや、ほとんど変わりません。
何度かそのゲスさを挽回し、魅力ある主人公へと変わっていけそうなシーンが出てくるのに、何故かゲスさを維持してしまうんです。
たとえば終盤、キルコを敵の攻撃から身を呈して守ろうとするのですが、わざわざ「巨乳を思う存分揉むため」だ、みたいなことを言います。
作者は読者に主人公を好きにさせる気がなかったのかな、と思わせるほどです。
キルコのキャラが過剰
キルコは元傭兵故に、戦闘術に長けているというキャラクターですが、外見のデザインから、眼帯・常時トンファブレイド装備というのは過剰なキャラ付けだったかなと。
どうやら作者も初めてキルコのデザインを編集に見せた時、かなり微妙な表情をされたようです。
この時点で作者・編集で、もうちょっと読者目線で修正できなかったんですかね。
作者が楽しんでキルコというキャラクターを描いているのはとってもよくわかります。
ただ、やはり万人ウケするキャラデザではないかな。
また設定も過剰です。
ナイフも効かない・ロケットランチャーも効かないという元傭兵とか関係ない肉体強度も過剰だったかなと。
「見た目が可愛いけど実は元傭兵なんです」くらいのキャラ付けじゃダメだったのでしょうかね。
警官になった理由も「制服が可愛いから」とかいうレベルだったのも、もったいないです。
過剰なまでのキャラ付けなのに、そのあたりの設定は適当という。
そこはありがちですが、組織のボスに「お前は一般常識を知らなすぎる、一度警官にでもなって社会を経験してこい!」と言われ、嫌々警官に転職とかで良かったのでは?
そこで事なかれ主義でセクハラ野郎の安錠に出会うが、共通の目的のため共闘することになる、みたいな。
というか傭兵から警官というのもギャップが少ない気がしていて、OLなどの暴力が絶対許されなくて傭兵としてのスキルが全く生かされなさそうな職業でもよかったかも。
ヤクザから落語家になったタイガーアンドドラゴンのように。
登場人物たちの目的が出てくるのが遅い
これですが、終盤に、流島が悪の手によって犯罪組織の本拠地に変えられようとしていることが判明します。
その事実を知り、やっと主人公や登場人物たちが自分たちの目的は流島という土地を守ることであると自覚するのです。
序盤からロケットランチャー持ってるような敵が現れるのも、この土地を狙う悪の組織によるものだったようなのですが、登場人物たちの目的は最初の方に説明しても良かったんじゃないですかね?
警察側のボスが「流島が悪の組織に狙われてるんだ、だから傭兵上がりの実力者であるキルコを配属したよ」と安錠に説明するだけで、物語がわかりやすくなった気がするんです。
それが無いから、行き当たりばったりで起こる事件に、ただただ対処しているだけに見えるんだよなあ。
「町を守る」という目的が最初に提示されていれば、安錠にどこかで「この町が好きだからよ」と言わせる好感度爆上げイベントも作れたかな、と素人ながらに妄想しながら読みすすめていました。
まとめ
色々と言いましたが、私のようにあれこれ考えながら読むような漫画じゃ無くて、キルコというキャラクターをただただ楽しむ漫画ですね。
まあ、私の評価は置いておいて、世間の一部からはどうやら人気だったのか、「帰ってきた新米婦警キルコさん」としてジャンププラスの前身となるジャンプライブでちょっとだけ後日談が連載されていたんです、なかなか珍しいですよね。
打ち切り漫画をWEB誌で再開させるっていうのもっとやっていいと思うので、神緒ゆいは髪を結いからお願いします。
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