【”本編”に入るのが遅すぎた?!】打ち切り漫画レビュー「神緒ゆいは髪を結い」

打ち切り漫画レビュー「神緒ゆいは髪を結い」【"本編"に入るのが遅すぎた?!】

みなさんこんにちは 漫画チャンネルのまんちゃん です。

はい、本日紹介する打ち切り漫画は「神緒ゆいは髪を結い」になります。
ヒット作である「ぬらりひょんの孫」の椎橋寛先生による週刊少年ジャンプの新連載ということで、連載前はなかなかに期待されていた作品だと思います。
ぬらりひょんの孫では魑魅魍魎が跋扈する百鬼夜行の妖怪ファンタジーを描きましたが、はたしてカミユイはどうなるのか、本作は蓋を開けてみると、まさかの学園ラブコメが展開されるのでした。

作品情報

作者

椎橋寛

掲載誌

週刊少年ジャンプ

あらすじ

主人公は超絶イケメンで女子にモテモテなパリピの男子高校生・園宮キート。彼は登校中にほとんど巻き込み事故みたいな形で謎の黒髪美女にボコボコにされるところから物語は始まります。

そしてその謎の黒髪美女こそ、ヒロインである「神緒ゆい」なのでした。

実はゆいには秘密があり、法力の宿る鎖で髪を結っていないと町中の不良もおびえる伝説のスケバンへとなってしまうのです。

スケバンておいおい、時代錯誤もいいところだね。

なので、ゆいの親友である「恵比寿野奈央」に鎖で髪を結ってもらわないと平静を保っていられないのです。

その秘密を知らないキートは自分をボコボコにした黒髪のゆい、黒ゆいを探し出そうとするのですが、普段姿を表すことのない黒ゆいを見つけ出すことができません。しかし、ひょんなことから髪を結っている状態の白ゆいと接点を持ち、自身の外見ではなく内面を評価してくれる白ゆいに恋心を抱くようになります。

そこに、かつて、黒ゆいに蹂躙された不良たちが現れるのですが、不良の投げたナイフで鎖が壊れ黒ゆいが登場してしまいます。そうして、ゆいの秘密をキートは知ってしまうのでした。

キートは白ゆいに恋をしながらも、度々登場する破天荒な黒ゆいにも徐々に心ひかれていくというヒロイン二重人格ラブコメの王道展開へと進んでいきます。

かくして、イケイケパリピ生活を送っていたキートの世界は混沌へと一変してしまうのです。

打ち切り理由

打ち切り原因は察するに、ぬらりひょんの孫みたいな妖怪ファンタジーものを期待して読み始めた読者たちに、ぬるいラブコメがウケなかったから、みたいなところかな?
ラブコメ要素がウケなかったのもあると思いますが、本作の打ち切り原因で最も大きいのはこれでしょう。本編に入るのが遅かった。ということです。

本編に入るのが遅かった

では、本編に入るのが遅かった。その意味をご説明しましょう。

基本的に物語は、かつて黒ゆりがボコボコにした不良や各地のスケバンがお礼参りにやってきて、それを返り討ちにしつつ、黒ゆりの存在がばれないようにキートと奈央がフォローするという流れの繰り返しです。

その繰り返しの中で、キートが惚れた弱みから献身的にゆりに尽くすことで、徐々に白黒・両方のゆりもキートを認め出します。そんな展開が1巻そこそこ続いたあと、今までの相手とは明らかに異質なスケバン・淡魂炎火がお礼参りをしに現れます。

炎火は自らが見せた人形に恐怖した相手に対して、人形と同じ箇所に傷を負わせるという異能の力を持っているのですが、彼女は異空間にゆりを連れ出し、ゆりを恐怖させ傷を負わせようとします。

そこにキートが助けに入り、ゆりは事なきを得るかと思いきや、炎火は、自らを日本人形へと見立て自傷することで、恐怖した相手に同じダメージを負わせるという奥義を

ちょ、ちょ、ちょっと待って。何だか最初に聞いたあらすじと大分違う方向に進んでいるような。

そのとおり。
実は序盤の学園ラブコメとは仮の姿で、かみゆいの実態はかなりハードな妖怪ファンタジー漫画だったのです。

この妖怪ファンタジー部分が私の言う「本編」です。

本編部分で明かされるのは、ゆいや異能を持つスケバンたちは「蟲」と呼ばれる妖怪のようなものに取り憑かれているということです。そしてかつてゆいは、蟲持ちでありながら、黒ゆいとして各地の蟲を狩る、つまりスケバンを倒すと言う活動をしていたのでした。

そこで現在は、かつて倒したはずの蟲に憑かれたスケバンたちがお礼参りにしにきているという状況なのだそうです。

そこで、お礼参りにきたスケバンたちを返り討ちにして、往年のヤンキー漫画よろしく、倒したスケバンたちを仲間にひきいれながら、ウラバンを倒すという最終目標に向かって旅を始めるのです!

序盤と160度くらい話変わってるじゃん。

そして、ウラバンとは?

ウラバンとは、蟲を作り出し、全国のスケバンたちを影で操る、文字通りの裏番のことで、その正体は邪馬台国におわす、世界最古のスケバン・卑弥呼だったのでした。

世界最古のスケバンというパワーワード。

えーっとふざけてます?

大真面目です。

また、本編に入ってからは、戦闘シーンで作者独特の絵柄で描かれるカットなど素晴らしく、登場するスケバンたちも非常に個性的で、とてもワクワクしながら読みすすめることができました。

そんな本編に向かうため、ラブコメは助走部分に過ぎなかったのですが、約2巻分・四ヶ月もの間助走部分を見せられた読者は、そのほとんどがこの漫画から離れてしまったのでしょうね。

連載終了後に一気に読み切った私としては、ラブコメ部分も全然気にならない長さでした。むしろラブコメ部分だけで突き進んでもいいくらい面白かったのですが、やはり連載を追っていた読者にとっては冗長に感じてしまったのかなあ。

作者も序盤はあえてキャラクターを可愛く描いていたとあとがきに書いていましたが、おそらく物語の対比を色濃くするためだと思います。この意図に私は早々に気づいたんですけど、連載追ってる組は気付きながらも待ちきれなかったのかな..

最後は?

最終的な展開ですが、校外学習で向かった奈良で、ゆいは、ウラバン・卑弥呼がいるという邪馬台国がある世界へ、鏡ごしに入ってしまいます。

そして卑弥呼と相対したゆいは、黒ゆいを差し出すよう卑弥呼に言われます。その時、ゆいを追ってきたキートに鏡ごしに声をかけられるのですが、卑弥呼の力でキートはバラバラにされてしまいます。

ほんの10数話前までラブコメしてた主人公の四肢が吹き飛ぶと言う急展開は打ち切り漫画ならではだね。

そこで我を忘れたゆいは黒ゆいとなってしまいます。最後はバラバラになりながらも、ゆいに対して「白でも黒でもない、神緒ゆいが好きなんだ」というキートの愛の告白により。我に帰り…エピローグへといった感じです。

ファンタジー展開に入ってから2巻くらいで打ち切りになってしまったので、終盤はほんっとに駆け足でした。

スケバンの中でも最強クラスであろう、阿修羅寺あす香との戦闘もほぼ描かれませんでしたし。

連載が長期化されていれば、全国のスケバンを倒しながら、徐々に卑弥呼へ近づいていたのでしょうし、白と黒のゆいの葛藤などもっと描かれて、キートの告白など感動できたと思うのですが..

まとめ

やっぱり長期連載を経た作者の漫画だからか、絵よし、物語よし、で本当に面白い作品です。

ホントなんで人気出なかったんだろ、やはり原因は本編に入るまでの助走部分が長過ぎた、くらいしかないと思う。

これは連載復活してほしい。ライジングインパクトだって打ち切りから復活したんだから、かみゆいだって可能性あるよね..

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